82: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/12(金) 01:42:20.02 ID:cHXotTvn0
「っ!!」
敵の撃破に、歓声を上げる暇なんてない。レーベはすぐに表情を険しくすると、その場から後ろに飛び下がる。
先ほどまで彼女が立っていた位置に、巨大な拳が叩きつけられた。
_
(;゚∀゚)「レーベ!!」
「大丈夫、避けました!!損傷ありません────っと!!」
今度は砲撃。再び彼女は跳び、爆風による衝撃を着地ざまに地面に転がって逃がす。
私たちの足下まで転がってきたレーベを、ティーマス軍曹が手早く助け起こした。
( <●><●>)「損傷状況を」
「深刻な損傷はない!まだ戦えます!」
_
(#゚∀゚)「そいつぁ上等だ────お客さんのお出ましだぞ!!」
ジョルジュ少尉の注意喚起の声に応じるように、新たな敵は右手───さっきイ級が現れたのと反対方向の家屋を突き崩して私たちの前に立ち塞がる。
まず眼を引くのは、大きさも形もてんでんばらばらな三つの頭。首から下には胴体や足がなく、太くて白い、ぬらぬらと気持ちの悪い光沢を放つ図太い腕が二本伸びて頭部を地面から持ち上げている。
どの頭部にも眼はついておらず、代わりにおおよそ8メートルほどの高さから私たちをにらみ据えるのは頭頂に備え付けられた連装砲とあごの横に盛り上がった魚雷発射管だ。
『ウゥオオオオオ………』
出来損ないのケルベロスのような形をした深海棲艦、軽巡ト級は本当に犬が威嚇するように私たちに向かって低く唸る。
なんとなく、仲間のイ級が轟沈したことに対する、怒りと悲しみを露わにしているようにも見えた。
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