81: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/05/12(金) 01:40:09.34 ID:cHXotTvn0
怯んだイ級に向かって飛び出したのは、私と同じ警備府に所属するZ1───駆逐艦娘のレーベレヒト=マースだった。
彼女は12.7cm連装砲を胸の高さに構えつつ、姿勢を低くしてイ級に向けて弾丸のように突っ込んでいく。
「Feuer!!」
『ア゛ア゛!!?』
150メートルの距離を更に半分まで詰めての砲撃。私たち艦娘からすれば目をつぶってでも当てなきゃいけない超至近距離だ。砲弾は先ほどジョルジュ少尉達が攻撃した箇所に寸分違わず命中。
火花が散り、イ級の強固な外殻が砕けて白くぶよぶよした肉繊維が黒煙と共に露出した。
( <●><●>)「Los Los Los」
(#><)「Weiter Feuer!! Weiter Feuer!!」
『アアアァアア………』
大きな損傷を負ったイ級に、間髪を入れず今度はアサルトライフルによる弾幕射撃が浴びせられる。
勿論幾ら中破状態とはいえ、深海棲艦の装甲や耐久に対して歩兵の小銃でトドメを刺すなんて不可能だ。
ただし、火線は悉く眼の付近に集中し、イ級の視界を奪いにかかる。
『オォ、アァアアァァァ………』
ミルナ中尉達の巧みな連携に反撃すらままならないイ級は、どうやら“戦略的撤退”を試みたらしい。
遭遇当初の威勢の良さはどこに行ったのか、弱々しい鳴き声を上げて黒煙が吹き出す身体を引きずりながらきびすを返す。
当然、その動きは遅すぎる。
「───Feuer!!」
レーベは既に、ティーマス軍曹とビロード軍曹の牽制射撃の合間に、距離を残り10メートル足らずまで詰めている。彼女は右手の連装砲と、背負っている艤装の両端に備え付けられた10cm高角砲を同時に起動した。
『オァ゛ア゛ア゛ッ!!?』
間近から放たれた“艦砲射撃”。巨体が爆圧で浮き上がり、まるでクリケットのボールのように飛翔する。
ぐしゃりと音を立てて、道脇の家屋に叩きつけられる。
崩れ落ちた瓦礫の下敷きになったイ級は、そのまま二度と起き上がらなかった。
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