226: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2017/05/08(月) 02:20:19.41 ID:6an8YmUi0
本が燃えている間、私たちが声を出して言葉を交わすことは無かった。
私たちは赤々と燃える本をじっと見つめていた。
まるで、周囲の音も一緒に燃えてしまっているかのように静かだった。
ふと気になって煙を目で追う。
煙は少し上昇すると風にかき消えてしまったが、雲のない空によく映えた。
それは狼煙だった。
そのとき、私たちは確かに語り合っていたのだと思う。
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