467:名無しNIPPER[sage]
2017/09/27(水) 19:47:58.61 ID:JB4A+Idt0
「何をしている、優衣。ここにはあまり来るなと言ったはずだ」
「ごめんなさい。でも...」
真二をちらりと見遣った優衣はそれきり黙りこくってしまった。
「なぁ、アンタ。どうやってこんな面白いものを見つけたんだよ」
「誰だ、コイツは」
「真二君のお兄ちゃんの真一君」
優衣の兄、神崎士郎は困ったように頭を掻く真二を一瞥し、家に帰る様に促した。
「いこ、真二君。今お兄ちゃん怒ってるから」
「で、でも...兄ちゃんが」
「気にすんな真二。朝には戻る」
妹と弟を追い出した兄達は改めて互いの存在を認識した。
「どうも始めましてお兄さん。城戸真一といいます」
「今日はアンタにお話しがあるんですよ」
「率直にお願いします。あの黒い龍を俺に下さい」
身も蓋もない強欲で一方通行の要求を突きつける真一。そのズボンのポケットの
中にはバタフライナイフがその出番を待ち構えていた。
「良いだろう。だが、それには一つだけ条件がある」
「なんだよ?その条件ってのは?」
「ついてこい。実際に見た方が理解が早い」
神崎士郎は鏡に手をかざし、真一を異界へと誘った。
誘われるままに真一も士郎の後を追い、鏡の中へと飛び込んでいった。
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