466:名無しNIPPER[sage]
2017/09/27(水) 19:47:23.24 ID:JB4A+Idt0
「無理だよ...。お兄ちゃんならそれが出来るけど、私には無理なの」
「ああ!?なんだと!」
「魔法が使えるんだろ!その魔法とやらで俺にあの龍を寄越せって言ってんだよ!」
真二と同じ顔が恐ろしい『何か』に取り憑かれたように変化したことに優衣は
耐えきれず、鏡の中に手を押し当てて二頭の龍の戦いをあっけなく終らせて
しまった。
「ああっ!なんで止めちゃったんだよぉ!」
「って!兄ちゃん?!何してるんだよ」
「手を貸せよ真二。コイツを脅してあの龍を奪ってやるんだ」
「ダメだって!兄ちゃん、そんなことしたら優衣ちゃんの兄貴が....」
「どうせコイツの兄貴も幽霊なんだろ?どけよ!」
自分を羽交い締めにする弟を振り切り、真一は優衣に再び詰め寄る。
その時、あの音が聞こえた。
キィィィィ....ン、キィィィィ....ン。
「ああっ来ちゃった」
キィィィィ....ン、キィィィィ....ン
真一の背後。真二にとっての正面に朧気な影のような何かが現れる。
それは徐々に輪郭を得て、一人の男になった。
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