429:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:41:07.80 ID:Nkr8DRMT0
それは、今から妻子を犠牲するという現実を直視できないという香川の
心の悲痛な叫びを代弁するような行為だった。
香川がライダーに変身したことを受け、真司も龍騎のデッキを取り出し、
香川の助太刀に入ろうとするが、それを満が阻止する。
更に仲村が真司の背後に回り込み、真司が変身しないように全力で
その身体を満と共に拘束する。
「そう、それがあなたの答えなのね...」
オルタナティブに変身しながら一向に自分と息子を助ける為にミラーワールドへ
入ってこない夫の真意を悟った香川典子は寂しげに微笑み、鏡越しに立つ香川と
その仲間達に一声をかけ、彼等がこの先苛まれるであろう罪悪感を少しでも
和らげようと、迫り来る死の恐怖に抗いながら笑顔を浮かべ、言葉を紡ぎ始める。
「あなた。一足先に私と裕太は行ってますね」
「いつかまた。いつかまた...家族三人で会いましょうね」
「仲村君。最後までこの人のことを守ってあげてね」
「な、何考えてんだよ!何考えてんだよ!アンタ!」
助けられるはずの命をむざむざ見捨てようとする正気の沙汰とは思えない香川の
判断に真司は我を忘れて激昂した。
「ふざけんな!アンタの家族だろうが!見捨てて良い訳なんかない!」
「待ってくれ神崎!その人達を殺さないでくれ!」
正気を疑うような香川の判断に怯えながらも、真司は懸命に何とか香川の妻子を
助けようと試みた。
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