428:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:40:28.00 ID:Nkr8DRMT0
第二十七話 全てを失ってなお....
〜香川邸〜
花鶏を後にした満達が香川の自宅に到着した時、既に香川の妻子の姿は
そこになかった。
「遅かったな。香川」
居間に四人のライダーが集結する中、食器棚のガラスに神崎士郎が
映り込み、平坦な口調で香川の到着の遅れをなじる。
「ええ。少しばかり取り乱してしまいましてね」
「色々悩んだ末に、ようやく答えが出たんですよ」
香川の答えと共に、神崎士郎は姿を消した。
「あなた!」
姿を消した神崎士郎は、香川の妻を最初に連れてきた。
事情が掴めず、自らの身体が徐々に消えつつある恐怖に苛まれながらも
香川典子は恐怖に顔を歪めながら、自分の愛する夫が自分は見捨てても息子だけは
助けてくれるという期待の籠もった視線を夫へ向ける。
その腕には、意識を失い眠り続ける自分の愛する息子が抱かれていた。
「典子...」
泣き出しそうな表情で、しかし...それでも自分の決意は鈍らないと
言わんばかりの形相で香川英行はオルタナティブに変身した。
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