424:名無しNIPPER[sage]
2017/09/26(火) 21:38:24.70 ID:Nkr8DRMT0
(典子、裕太...)
幸せにすると誓った。何故なら自分が愛して愛し抜いた家族だからだ。
どんな艱難辛苦であっても、必ず撥ねのけ、粉砕すると誓った。
だが、自らが掲げた理念の中に香川は家族を含められなかった。
いかに神崎士郎とは言え、人の道に外れた事はしないだろう。
甘かった。
自分の秘密を握る最も厄介な敵を神崎士郎が野放しにする訳がない。
電話越しに泣き叫ぶ息子の声が頭の中で反芻される。
「パパ助けて!ママが鏡の中に引きずり込まれちゃった!」
「うわぁ!やだやだやだあああああああああああああああ!!!」
「助けてえええええええええええ!!!」
「ああ。そっか...だったら、みんなはぼくをみとめてくれるよね?」
「これで、わかったでしょ?」
「きみより、ぼくのほうがせんせいにふさわしいって」
家族が今も自分の助けを待ち続けている。
愛する者を守れない恐怖と英雄として戦わなければならない義務。
その板挟みになりながら、香川英行は苦悶の果てに一つの答えを出した。
「佐野君。答えはとっくに出ているんですよ。最初からね」
神崎士郎の企みを知った時、仲村と東條を仲間に引き入れて本格的に
ライダーバトルに参戦すると決めた時、香川は自分が掲げた多くを救う為、
一つを犠牲にする勇気という、英雄の覚悟という在り方と共にこの戦いを
戦い抜くと誓った。
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