373:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/23(火) 12:32:39.52 ID:JcVHvI7Q0
ギリリと奥歯を噛み砕くような歯ぎしりを立てた吾郎は、内心では
少なくともあれほど秀一に戦いを止めるように説得していた城戸真司が
自らの仲間諸共秀一を葬り去るとは到底思えなかった。
しかし、秀一が死んだ事はもう変えようがない真実になってしまった。
ならば、相手側にどのような事情があれ、自分は秀一から任された
自分の役割を果たさなければならない。
秀一を蘇らせ、彼の身体に巣喰う病魔を全て取り除くという秀一が
かつて望んだ願いを自分が叶えなければならない。
その為には、まずこの男を利用して戦いの最後まで生き残らなくては
ならない。吾郎の脳裏に秀一から託されたある物の存在が浮かんだ。
「神崎さん...なにか、なにか先生の遺品は...ないんですか?」
「ない。だが...奴が契約したモンスターなら、まだ存在している」
「お前が望むのなら、マグナギガの元に連れて行こう」
「お願いします」
士郎の提案を疑う事なく受け入れた吾郎は、近くにあった姿見の中へと
入っていった士郎の後を追っていった。
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