362:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/23(火) 12:26:42.95 ID:JcVHvI7Q0
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エビルダイバーがライアの安全を確認し、その姿を消したと同時に
ライアは膝を床につけて荒い息を吐き出した。
「はぁ...はぁ...はぁ」
ライアがいまいるのはゾルダの攻撃が届かない屋上だった。
屋上には貯水槽と屋上へ続く階段と扉以外には何もない。
「貯水槽に水は...ないか」
錆付き、赤く変色した貯水槽を叩き、水の有無を確かめたライアは
屋上に何も利用できるものがないことを悟ると、躊躇う事なく扉を開き
校舎の中へと入っていった。
屋上の階段を降りると、三階の中央部分に辿りつく。
「なるほど。中央の他に左右にも階段があるという訳か」
この廃校の三階には中央から見て左の階段の方向に五、六年生の
教室が計四つ存在し、中央階段から右側に目を向けると授業で使われる
音楽室、AV教室、空き教室の順に部屋が並んでおり、空き教室の隣に
右階段が存在していた。
「寒いな」
神崎士郎が割ったと思われる鏡の破片が存在しない事に手塚海之は
唐突に気が付いた。
ライアはまず最初に近くにあった六年生の教室に入り、とりあえず
ゾルダから身を隠しながら、まとまらない考えをまとめようと必死に
頭を回転させながら、神崎士郎の意味不明な行為の意図を掴もうと
懸命になっていた。
しかし、試しに三階にある教室をくまなく調べても鏡や鏡のように
何かを反射するものはどこを探しても見つからなかった。
「...つまり、1対1で確実に決着をつけろ。ということか」
スペックの上では、ゾルダにライアは確実に劣る。
正面切ってぶつかり合えばきっと敗北は免れない。
「全く、俺もまだまだ青いな」
自らが持つギガランチャーも狭い廊下では振り回す事は出来ない。
咄嗟の判断とは言え、小回りの利かない武装をコピーベントでコピー
するのは失敗だった。
「だが、これにしか出来ない事も確実にある」
思考を切り替えた手塚海之はギガランチャーの照準を教室の床に
合わせ、階下の教室までぶち抜く大穴を作り始めたのだった。
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