107:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:05:36.38 ID:WOJJWRsc0
二人の仲間達のあまりのお人好しに頭を抱えながらも、蓮は再び
自分の目の前に立った殺し損ねたライダーにどう接すれば良いのかを
考えることはなかった。
「おい、貴様。デッキを出せ。さっきは殺し損ねたがそうはいかない」
「丁度良い機会だ。中々強力なモンスターも従えているようだしな」
「は、話が...違う」
偉そうな奴なんだけど、本当はすっげぇ優しい奴?
それが本当なら、今目の前の男は一体何なんだ?
(い、いや...城戸さんが俺に嘘つくメリットはないはずだ)
(でも...コイツには背中を預けられない。背中を見せたら殺される...)
ズリズリと床を這うように逃げるしか出来なかった自分が恨めしい。
今は虚勢を張ってでも、目の前のライダーに真っ向勝負を挑まなければ
ならない時だというのに、自分は怯えてしまった。
命惜しさに、目の前の信用できる人に頼ろうとしてしまった。
それが自分にとって致命的な甘さと気が付いてしまった。
「おい!蓮!お前なんて事言うんだよ!」
「すいません...本当にすいません...」
「大丈夫?って...」
蓮を押しのけ、床にへたり込んだ真司の手を満は取ることはなかった。
本当は払いのけたかったが、こんな自分のことを敵とは言え、真剣に
案じてくれた優しい人をこれ以上満は拒絶したくなかった。
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