198:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 18:37:51.53 ID:ANVQ24Nk0
そう言うと大井さんは私の頭を優しく撫でた。すごく心地いい。張り裂けるほど膨らんでいた私の心が、今ここで爆発し、露わになった部分を大井さんに撫でられているみたいだ。
受け入れられた、実り叶う。そのずんと重い幸福感が私を包み込む。
大井「やっと言いましたね。長かったですよ、もう」
それを聞いて私はふと疑問に思った。
提督「告白二回めだよ。どうして一回目は断ったのさ、最初に言ってくれればいいのに」
一回目に応えてくれれば話は早かった、私はそう思ったけど、大井さんの溜息がそれを否定する。
大井「まず一つ目、女の子には告白はシチュエーションが何よりです。あんな勢いよく飛びついてきた後で、あれはないです。そして二つ目、その時の提督は本当に嫌いだったんです」
提督「じゃあなんで今受け入れたの?」
するとあの笑顔だ。私はイジってはにこにことするあの笑顔。
大井「それは、「さっきまでの提督」と、「今の提督」はまったく違うからですよ。人は一分一秒ずつ移り変わり、ほんの少しの時間で見間違える。男子三日会わざれば刮目して見よ。ですね。今の提督はさっきまでと違って素敵です。いえ、今ままでの中で、一番素敵です」
私は立ち上がった。嬉しいんだけど何だか腑に落ちない。大井さんの手のひらで踊らされていたみたいで一言言ってやりたい気持ちになった。
提督「なによそれ!なんかムカつくんだけど!」
大井「ま、まぁいいじゃないですか。こうして丸く収まったわけですから」
大井さんは後退り木製のパソコンデスクまで退がり、お尻を当てた。こんなに遊ばれたんだ、私は負けじと大井さんに詰め寄る。
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