503: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:42:19.30 ID:SfivEjrbO
『マリへ。
この手紙が読まれている時は、多分俺が殺された後だろう。
まずは謝らせて欲しい。ずっと隠しててごめんな。
504: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:43:19.50 ID:SfivEjrbO
能力上限解放用リング。通称ケッコンカッコカリ。
俺は艤装パーツに埋め込ませて皆に使わせてたけど、今となってはお前の時は、ちゃんと右手用の指輪として渡したかったな。
それでも左手の本物は、最後まで取っておく予定だったけど。
この手紙が読まれないままだったら、間違いなくお前と結婚してた。それが出来たらこの手紙は、こっそり燃やそうと思ってたんだ。
505: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:44:25.28 ID:SfivEjrbO
「………ジュン…。」
最後、彼の名を記した所には…涙の跡がありました。
それを塗り潰すように、手紙に次々と新しい水滴が落ちて行く。
506: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:46:35.87 ID:SfivEjrbO
その数日後、今度は特捜部の本部へと呼ばれました。
表向きは、人質への事情聴取と言う体での事。
実際の所は…あの件で隊長を務めていた男との、マンツーマンの取り調べではありましたけど。
507: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:48:32.48 ID:SfivEjrbO
本部を後にすると、私はすぐ近くのカフェに寄りました。
メモ帳を出して、一心不乱にペンを走らせる。
そこに書き出したのは、取り調べの中で出てきた捜査経過の事。
508: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:49:45.67 ID:SfivEjrbO
本部は遠い所でした。
でも鎮守府に帰るまでの記憶は、ほとんどありません。
新幹線の中も、いつもの通り道も、朧気な記憶のまま。
509: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:51:00.33 ID:SfivEjrbO
510: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:52:19.61 ID:SfivEjrbO
捜査が終わるまでは、何故殺されたのかはまだ秘匿義務がある。
真相は、私と少尉さんしか知らない。
511: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:53:27.19 ID:SfivEjrbO
512: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:54:20.95 ID:SfivEjrbO
ガサは蝶が羽を開くかのように、そう笑ってみせたのでした。
いつかの夜や、防空棲姫と化した母親を殺した時と同じ…。
513: ◆FlW2v5zETA[saga]
2018/06/08(金) 05:55:19.25 ID:SfivEjrbO
今回はここまで。
557Res/457.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20