【ダンガンロンパ】辺古山「猫のいる生活」
1- 20
71: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2025/01/16(木) 12:27:44.20 ID:Yn/S07zg0
『……王馬、どういうつもりだ?』

獄原 「王馬君。星君がどういうつもりだって訊いてるよ?」

獄原 「寄りたいところにいってらっしゃいってことじゃないの……?」

王馬 「一度この学園から出ちゃったら、星ちゃんはそのまま、やりたいことを諦めて去るタイプだろうからっていう、オレなりの情けをかけてあげてんだよ」

王馬 「これは本当。嘘じゃないよ」

「…………」

 王馬は嘘つきだが“嘘じゃないよ”と言ったときは、それが本気なのだということは解っている。情けをかけるなんてことを、こいつでもするのか。

王馬 「用が終わったらこの部屋の前にでも居てよ。さよなら言わずに出ていかれるのは寂しいからさ」

獄原 「王馬君……」

 獄原は真に受けているみたいだが、俺には見え見えだ。

『嘘なんだろ』

 訊かなくてもいいが、溜息混じりに一応、訊ねる。

獄原 「え? 嘘?」

王馬 「にししっ! 嘘だけどね!」

獄原 「えええええっ?!」

 寂しがっている王馬に共感していたのだろう獄原は、王馬の嘘にショックを受ける。

『こいつがこんな殊勝なこと言うはずがないだろ…』

王馬 「さっすが星ちゃん! オレの良き理解者だよね!」

 扉は開いた。なら、こいつにこれ以上付き合ってやる必要はねぇ。王馬の軽口には答えず、獄原に話しかける。

『獄原、いろいろと済まなかったな。オレのことで真剣になってくれたこと、礼を言う』

『ありがとう』

 俺の言葉をきいた獄原は、複雑な顔をして目を伏せていたが、寂しさを隠し切れていない笑顔を俺に向けた。

獄原 「後でここに戻ってきてね? 王馬君も言っていたけど、さようならを言ってからお別れしたいから」

『解った。一度戻ってくる』

 伝わるかは判らないが、俺も笑って答える。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
90Res/117.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice