俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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2022/10/10(月) 09:11:57.82 ID:4j2wPxKL0
雪乃「冗談よ」
目を細め、くすりと小さく笑う雪ノ下。そのいつもと変わりない態度を見ただけで、こんな状況であるにも関わらず安堵の吐息を漏らしてしまう。
八幡「それにしてもこの人込みの中でよく俺だってわかったな」
何を言っていいものか分からず、とりあえずは真っ先に思い浮かんだことを口にすると、
雪乃「それはもちろん ………」
雪ノ下も何か言いかけたようだが、急に口を噤み、目を逸らしながら小さく咳払いする。
雪乃「後ろ姿がやたらと不審な人がいたから、すぐにあなただとわかったわ。でも、やっぱり正面から見た方がずっと怪しいわね」
八幡「うるせーよ。ほっとけ」
まぁ、俺が挙動不審なのはいつものことだけどな。おかげで普段からひとりで街中歩いているだけで10m置きに職務質問の嵐だ。
しかもデフォで受け答えがキョドってるせいか、余計に怪しまれるので、おちおち身分証不携帯で出歩けやしない。
こうしてふたりで立ち話をしている間も、時折こちらに向けられる視線のほとんどは雪ノ下に対するものだが、残りは明らかに俺、それも空港の警備員さんのものだ。
雪乃「どうかしたのかしら?」
いつもと変わらない態度に却って釈然としない俺を見て、雪ノ下が小首を傾げる。
八幡「あ、いや、いつものお前なら“はっ、こんな処まで私を追いかけてくるなんて、あなたもしかしてストーカー? 社会的に抹殺されたいのかしら?”くらいの事は言いそうなものなのになって」
雪乃「 …… 全然似ていないのだけれど、微妙に似せてくるところが見ていてちょっとイラっとするわね」
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