786: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 22:25:13.41 ID:ymR8HEsBO
田中が文句を言った直後、背後からガコンという音がした。三人が階段へ向けていた視線をドアへ戻すと、固く閉ざされていたドアが半開きになっていた。
『ほら、とっと入って』
田中がハッと軽く笑う。高橋とゲンを見やって言った。
田中「ゲン、高橋」
呼びかけられた二人はニヤつていた。クライマックスを楽しみにしているとでもいうような表情。
田中「終わらせるぞ」
三人が社長室への通路を進んでいく様子を監視カメラで眺めらながら奥山は十五階のセキュリティをすべて掌握するためハッキングを続けていた。
奥山の視界には三台のデスクトップモニターが収まっていて、右のモニターが田中たちの様子を、中央のモニターがコードを、左のモニターが自分のいるセキュリティ・サーバー室への通路をそれぞれ映していた。
奥山が熱源感知システムのコードを書き換えていると、左モニターの映像に影が横切るのが見た気がした。
奥山「ん?」
『どうした?』
奥山「いま、なにか……」
声を洩らしていたため、田中が尋ねてきた。
奥山「気のせいか」
『あと二十メートル』
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