607: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/05/13(日) 22:13:42.17 ID:HRQM2WMiO
アナスタシア「あげます」
永井「口つけた箸でつまむんじゃねえよ」
永井は不快感を露にきのこをつまんだ箸を押し返した。それから永井は中野がお茶をぐいっとあおっている隙にまるごと残ったアナスタシアの炒め物をすっかり空になった中野の皿にあけた。
お茶を飲みおえた中野が元通りになった皿の様子に気づいた。
中野「あれ? 増えてる」
永井「やる」
中野「好き嫌いすんなよな」
アナスタシア「イズビニーチェ……ごめんなさい、です」
中野「なんでアーニャちゃん?」
中野はかきこむようのして炒め物をたいらげた。
永井は伝票を見て財布から千円札を二枚取り出して卓に置いた。
永井「払っといて」
永井はふたりを残して食堂から出ていった。
中野は伝票を手に取り、記入された金額と永井が置いていった金額を見比べる。考え込むような表情。眼はじっと二枚の紙幣に注がれている。
アナスタシア「コウ、どうしました?」
アナスタシアが中野に声をかける。もしかしてお金が足りないのかと心配になる。
中野は懐かしいものを見たときのような声で言った。
中野「これ、おれらの金なのかなあ」
アナスタシア「アー……」
食堂の外では、ふたたび現れたぶち猫が永井に背中を撫でられて気持ち良さそうに喉をゴロゴロと鳴らしていた。
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