566: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:50:07.93 ID:oL93h30zO
永井「中野、車まで連れてってやって……」
永井はなにもかも諦めたかのように両手で顔をおおった。
中野は言われて通りにアナスタシアを車まで連れていった。中野は歩きながら食べ物の話をしてなぐさめる。アナスタシア泣きじゃくりながらもすこしは落ち着いた。
中野「車に食べ物あるから、それ食べよう。居酒屋の裏メニューを持ちかえりにしてもらったから」
アナスタシア「ケイはひどいです……おなかが減ってるの、アーニャにもわかってます……」
中野「うんうん、クズだよな、あいつ」
アナスタシア「そこまでは……言ってないです……」
怒ったとはいえ、侮蔑を口にすることにアナスタシアは賛同できなかった。
公園に残った永井はアナスタシアが持っていったペットボトルの蓋を探していた。地面をスマートフォンのライトで照らすと、真っ赤な蓋がすぐに見つかった。蓋を拾おうとしゃがむと、どっと疲れが出てきた。
永井はしゃがんだまま、おおきくため息をついた。こんなことになるとは予想だにしてなかった。バカだろうがガキだろうが貴重な戦力になるだろうから連れてきたのに。中野も、アナスタシアといっしょに井戸に突き落としていたほうが良かったかもしれない……。
クラクションの音が夜の公園に鳴り響いた。
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