560: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:41:56.51 ID:oL93h30zO
アナスタシアは頭を下げながらゆっくりと外へ出てきた。中野はいっそう強くうちわをあおいだので、銀色の前髪が持ちあがり、額やまぶたをくすぐった。ふらつきながら立ち上がると、喉と胃の訴えがふたたび強くなってきた。
中野「永井、飲み物三つな!」
アナスタシアをあおぎ続けながら、公園の入り口横にある自販機のまえにいる永井にむかって中野がさけんだ。
アナスタシアのところからでも永井がびくっと身を震わせるのがわかった。永井があわてた様子でふたりのところまでもどってくる。
永井「大声出すなよ。見つかったらどうすんだ」
声を潜めた永井の文句は、電車のなかでさわぐ子どもを叱るつけるときの口調だった。
中野「夜中だし、平気だろ」
中野は顔を永井に、うちわをアナスタシアにむけながら言った。
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