新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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558: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:38:59.83 ID:oL93h30zO

 自転車の走行音がまた聞こえる。スピードはそれほど出てなく、タイヤがアスファルトを擦る音がやたら大きく響いた。角を曲がったときに鳴るあの特有の音だ。おそらく、公園ちかくに停車したのだろう。ドアが開き、閉められる音がたてつづけにして、だれかが公園へ入ってきた。

 アナスタシアは緊張で心臓をバクバクさせながら、トイレによっただけ、と思い込もうとした。身体を縮こまらせ、呼吸をとめて、気配を消そうと力んだ。

 足音は迷いないリズムを刻みながらアナスタシアのいるドームまで近づいてきた。ざっざっという土を踏む音がまっすぐアナスタシアの耳まで届く。

 アナスタシアは耳を塞ぎ、足音など聞こえないふりをしようとした。足音がいよいよドームのすぐそばまでやって来たとき、アナスタシアはやっとドームの穴から逃げ出きゃと顔をあげた。



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