557: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:37:38.02 ID:oL93h30zO
子どもたちの遊び場なのだから、人の住む場所の近くにあるのが当然だ。アナスタシアは不安になる。いまはまだ夜で、人のすがたはなく、たまに自転車のホイールの回転する音や自動車の走行が聞こえるくらいだけど、朝になれば子どもたちが公園に遊びにくる、母親あるいは父親もいっしょについてくる、人であふれるほど立派な公園ではないけれど、午前十時くらいにはやっぱりだれかがやってきて、遊具にかけより、すべったりゆれたりする、そのうちドームにやってきて、ゆるやかな曲面をのぼり天辺に立って公園を征服した気分になる子どももいるだろうが穴を通ってドームの内側に入ってくる子どももいて、そしてそこでアーニャを見つけてびっくりする。
見つけたのは亜人だから。
もうだれもアーニャをアイドルとして見てくれない。
ささやかな夜の中にアナスタシアはひとりぼっちでいた。
どこにも行き場がなく、しかしここにとどまることもできない事実をアナスタシアはあらためて思い知る。絶望感がアナスタシアを襲う。
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