556: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/02/18(日) 21:35:59.37 ID:oL93h30zO
とはいえ、人間の心理はひとつの感情が一定のまま長続きするものではない。暑かったり寒かったり、周囲の環境が肉体的負担をかけている場合はとくにそうだ。
アナスタシアはふと我にかえり、ひどい空腹と喉の渇きを覚えた。
ドームの丸い穴から外の様子をうかがってみる。ほとんど無意識で、足の向くままにこの公園にやってきたので、周囲がどんな場所なのかはっきり見ておらず記憶になかった。
穴窓から見えるのは公園の入り口と敷地をぐるっと囲うフェンス、入り口のすぐそばにあるコンクリート製の箱のような建物はトイレだ。トイレの入口横に備え付けられている電灯の蛍光灯は古くなっていて弱々しい白い光をフェンスの向こうにある防災倉庫に投げかけている。地面に草はなく、乾いたむき出しの土が平らに広がっている。お決まりの滑り台やブランコといった遊具。ちいさな公園だった。
そして、やはり公園の周囲にあるのは住宅地だった。
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