282: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 12:34:59.47 ID:8mPTevMeO
部屋の中では、銃撃の瞬間に壁に飛びすさった高橋とゲンが息を喘がせている。動揺しているが、同時に興奮しているのか二人とも口の端が上向いている。
田中は逃げた二人を追おうとするが、ノブがガチャガチャいうだけでドアは開かない。
田中「あら? 開かねー……」
田中は振り返って佐藤に尋ねる。
田中「どうします? 佐藤さん」
佐藤「君は本当に射撃が上手くならないなあ。当たったよ」
佐藤のシャツの腹部が血に染まっている。佐藤は腕を開いて、銃撃を受けたところを田中に晒しながら「死んじゃうよー」と嘯いた。田中が佐藤に謝罪する。佐藤はあまり気に留めない様子でショルダーバッグの男に視線を向けて言う。
佐藤「でも、彼の命中箇所はグッドだね」
銃弾は男の左側の上腹部に命中していた。高橋らと違い、彼の呼吸は弱々しく行動不能であることは一目瞭然だった。彼は銃創を手で押さえていたが、そこは射入口の側で、傷口の大きい射出口の方から出血が絶え間なく続いている。床には小便を漏らしたときみたいな血だまりがあり、Tシャツの裾やジーンズの尻を赤く染めている。
佐藤「脾臓が破裂したんじゃないかな。死ぬ度胸のない奴なら、死ぬまで動けない」
田中「こいつらは?」
佐藤「ドラム缶に入れて地下に置いとく」
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