新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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283: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 12:36:18.76 ID:8mPTevMeO

ロッカーの位置を調節し終えた秋山と中野が、ドア越しに佐藤の声を聞いた。


秋山「聞いただろ。監禁されるだけだ。行くぞ!」


秋山は中野のパーカーの袖を引っ張り、出口を求めて廊下を走って行く。


佐藤「よし、君たちのやる気を見せてもらおう!」


佐藤は部屋に残った高橋とゲンに向かって言う。佐藤の両手にはスピアガンがあり、ワイヤー付きの銛の先端が鋭い光を放っている。


佐藤「逃げた奴を追う。君たち二人は田中君の補佐だ」


高橋とゲンが投げ渡されたスピアガンを受け取る。


佐藤「それでターゲットの動きを封じる」


亜人狩りにふさわしい道具を手にした高橋が、短く口笛を吹いた。


佐藤「そして、もう一人……」


佐藤が杖をついた男を見る。杖の男は佐藤に注目を向けられても、平然とした態度をとっている。さっきの銃撃にもさしたる動揺はみせなかった。


奥山「僕は走れないよ。生まれつき右足の筋肉が弱い。復活してもこの足はこのままだった」

佐藤「どう貢献できる」


奥山はゆっくりと視線を動かす。


奥山「……それ」


奥山は田中が肩にのせているダートライフルの銃身を指差して、言う。


奥山「そのダートライフル、銃身が若干曲がってる。少し左を狙ったほうがいい。あと、CO2ボンベの締めが緩いよ」


奥山の指摘に従って田中がCO2ボンベを捻ると、ボンベはキュッと音を立て固定された。


奥山「機械なら田中さんより詳しいみたいだけど」

佐藤「いいね」


佐藤は笑みを浮かべ、そしてマンハントの開始を宣言する。


佐藤「さあ、CO-OPプレイスタートだ」




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