284: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 12:37:49.61 ID:8mPTevMeO
秋山と中野は必死に走り続けている。建設途中で放棄されたホテルには表記がなく、どこもかしこも区別がつかずまるで迷路のようだ。二人は外縁にあたるであろう方向に走りまくった。脚を激しく回転させるのと同じように、曲がり角があれば首を左右に動かし脱出のための経路を探る。
秋山「窓があるぞ!」
秋山がついに窓を見つけた。大きな採光窓で、高さも横幅も、成人男性が二人並んでも余裕で通り抜けられるくらいはある。窓から差し込んでくる太陽光が床を四角く照らしている。近寄ってみると、窓には鍵が付いておりはめ殺しになっていない。
中野「外へ出たらどうする!?」
窓ガラスを押しながら、中野が叫ぶ。
秋山「おまえは家へ帰れ、普通の生活をしてろ」
秋山はロックを解除するため鍵に両手をかけているが、年月の経過が窓の鍵を酷く錆びつかせているのか、なかなかロックが外れない。秋山はいちど力を緩め、鍵を握りなおし体重を一気にかける。窓が開き、秋山は中野に向かって言う。
秋山「ガキの仕事じゃない」
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20