281: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/07/08(土) 12:33:25.83 ID:8mPTevMeO
空気が噴出するような音がしたのと、中野が秋山の膝裏を蹴ったのはほぼ同じタイミングでのことだった。秋山の膝がくの字に折れ、体勢が崩れる。次の瞬間、中野と秋山のあいだを麻酔ダートが飛んでいった。麻酔ダートは眼鏡をした亜人の背中に突き刺さり、中野は倒れたその男に駆け寄って「平気か!?」と大声をかける。
ガンガン、と換気口のルーバーを何度も蹴りつける音がする。秋山が音のするほうを見ると、ルーバーの固定部が外れ、内側から蹴り飛ばされた。換気口の中には田中が潜んでいた。ガス式のダートライフルをぴったりと身体に引き寄せてスペースをつくり、コルトM1911を握った右手を秋山たちに向けて突き出している。
秋山「逃げろ逃げろ逃げろ!!」
秋山は叫びながら、覆いかぶさるようにして中野の身体を持ち上げ、ドアに走る。直後に四連射。最初の弾がショルダーバッグの男に命中する。二、三発目は壁に穴を開け、四発目はドアの向こうに倒れこんだ秋山と中野の上を飛び去っていった。
秋山は身体を起こす暇も惜しんで、足でドアを閉めてから、ドアの横にあったロッカーを倒しバリケード代わりにする。
中野「置いてくのか!?」
秋山「ああ!」
起き上がった秋山がロッカーをドアにぴったりとくっつけるように持ち上げながら叫ぶ。
秋山「ココで捕まったら誰が奴らを止めるんだ!」
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