79:名無しNIPPER[sage]
2017/04/03(月) 22:31:05.80 ID:rbYudfL80
18
北上を船へと拾い上げる。
…とてつもなく重い。
ふと軽くなったと思った途端、彼女の壊れた艤装が海へと沈んでいく。
海水に濡れた彼女をやっとのことで船にあげた。
…そこで一息ついて、僕は自分の行動の意味を問うた。
投げやりでここまで来ておいてだ。
今更、彼女を拾うことに意味はあったのだろうか。
贖罪か。
果たして。
しばらくすると北上は僕を見、そして言った。
「あの世?」
「この世だ」
そう答えると、北上は体の一部に触れる。
ひどく痛むらしい。
彼女は表情を歪めながら言った。
「…どうなったの?」
僕は答える。
「深海にやられたよ。もう船はない」
「そっか」
北上は僕を見る。
「…ついてるね」
北上のその言葉を受けて、僕は様々なことを考えた。
ついてるとは何だ。
今生きていても叱責させるのは間違いない。
それに自分のしたことを思えば…
「…さあどうする提督」
北上は僕の想いを知ってか知らずかそう言った。
返す言葉のない僕は、ただただ困惑した。
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