75:名無しNIPPER[sage]
2017/04/03(月) 22:27:07.58 ID:rbYudfL80
北上は肩に置いた僕の手を払い言う。
「何のために私が工作艦になってまでここにいると思う?」
北上はそう言うと、俺をまっすぐ見る。
「この際、姫がどう出てきたは関係ない。
問題なのは、深海化しかねない君の艦隊が迎撃に加わっているっていることだ」
「命令だ」
「上の混乱で、潜在的な敵を起こすバカな真似を看破できない」
北上はそう言うと、俺に背を向けた。
「…上への弁明と、対戦相手を押さえておいて」
「待てよ!」
思わず手が出た。
北上の細い手首を僕は掴んだ。
「仲間を、[ピーーー]のか」
僕がそう言った時だった。
足の痛みを感じると同寺に僕は転倒する。
北上を床から見上げる形。
北上はそのまま僕の胸を踏みつけ艤装を展開した。
「そんなもの?」
砲は俺に向いていた。
「…期待したのがバカだった。ここで死ぬ?」
北上はさらに力を込める。
「居場所がないから、ぬるい場所で腐っていく。
…だから共感していたんだけど」
北上はそう不思議なことを言ってから、足を上げた。
「君はあたしの想像より馬鹿だね」
彼女は背を向けた。
待てよと、僕は大声で呼んだ。
けれど彼女は振り返ることなどしなかった。
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