23:名無しNIPPER[saga]
2017/01/04(水) 16:11:51.10 ID:U03qxFq4O
05
珍しい日だった。
演習が行われることになり、我々は島を出た。
私のみ軍服。
あとは皆私服だった。
マイクロバスを手配して乗り込む(喫煙仕様は手配した北上のせいだった)。
私服に着替えさせると、本当にただの少女にしか見えない。
ただ私服でもガリガリと首を夕立は掻いており、それを涼風が止めるように言った。
「やめろ。ホント大丈夫かよ」
「問題ないっぽい。涼風こそ、爪は噛まなくていいの?」
言われたくないと言う顔を涼風はした。
涼風が爪を噛む癖があるとは知らなかった。
「いいだろ」
「なら終わり」
そう言って夕立は外を見る。
由良は黙ってタバコを吹かし、天城はぼんやりと外を見ている。
北上はいつもの顔で夕刊の競馬情報を見ていた。
会話は一つもない。
僕から話しかけようとも思えなかった。
僕が本でも読もうかと鞄から文庫を取り出したところだった。
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