103:名無しNIPPER[sage]
2017/06/30(金) 22:17:20.76 ID:vG2Ragdn0
鶯谷の改札を抜ける女らがいた。
そのまま風俗街へと二人の女は歩いていく。
金髪と茶髪の外人女。
彼女たちはラブホテル脇の雑居ビルに入る。
キャバレーが入居する階。
かつてはスナックだった一室。
そのドアを開く。
そして彼女たちは、同居人とばったり出くわした。
「…あら」
金髪が言うと、少女は答えた。
「おかえり。どこほっつき歩いてたの?」
「じゃがいもに付き合って池袋」
茶髪がそう言うと、金髪は笑う。
「ひどいわね」
「あんたの放浪に付き合う事も考えてほしいわね」
そう嫌味を言った彼女たちは奇妙な声を聞いた。
外人二人は顔を見合わせ、金髪が少女に尋ねた。
「あのひと、また吐いてるの?」
「そ。だけど」
「だけど?」
茶髪が問い返し、少女が答える前だった。
フラフラの足取りでトイレから男が出てきた。
男は壁に手をつけながら、女たちを見ると言った。
「やる事が出来た」
「わかった……ズボン吐いてから言え阿呆」
少女は辛辣な言葉を吐いた。
男は下がったままのズボンを上げようとして、再度転んだ。
悪態をつきながら男は立ち上がる。
女たちは、仕方ないと言った顔で彼に近寄った。
男は金髪茶髪に引きずられるがまま、椅子に座らされる。
あまりの醜態に少女が見かねてミネラルウォーターを出した。
男はそれをがぶ飲みしながら、女たちを見て言った。
「…協力してくれ」
「拒否」
「反対」
「嫌よ」
三人に否定された男は頭をかく。
苛立ちからか、男は立ち上がろうとした。
が、泥酔した体は思うように動かなかったらしい。
男は肘でミネラルウォーターを倒した。
少女は、醜態を晒す男に向けて露骨に嫌な顔を向けた。
「ねえ、アル中。鏡見た?」
「見た」
「今もカスでクズなあんた」
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