227: ◆3em28n6/NM[saga]
2017/04/08(土) 19:05:44.92 ID:z+8iKsTi0
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十数分後。
桃子「ロン……分かったっすか?」
京太郎「……」
理解はできた。元々マホが打っていた時から、予想はしていたのだ。
京太郎「俺が、見失ってただけなのか……」
ただ、その事実を受け止めるのに――半荘一回分の時間がかかった。
京太郎(たったそれだけ……俺のプライドが、認めなかっただけ)
桃子「……仕方ないっすよ。私自身が、影の薄さを利用してるんすから」
そう、見失ってしまうのは当然のことなのだ。京太郎だけでなく、マホや鶴賀の面子も見失うほど影が薄いのだから。
京太郎「でも、そんなことは関係無い……」ボソ
桃子「えっ……?」
京太郎(勝つ。この二日の内に、必ず……!)
桃子に負けた瞬間の悔しさは、ゆみに負けた時よりも遥かに大きかった。
京太郎(どうして、こんなに悔しいのかな)
同学年だから?それとも、桃子の力が理不尽に感じられたから?
京太郎(いや、理由なんかどうでもいい……勝ちたい、とにかくこいつに勝ちたい!)
衣と打った時に自覚した勝利への渇望が、再燃していく。
京太郎「もう一戦、いいかな」
桃子「いいっすよ、何度でも」
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