193:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 02:12:44.38 ID:NG5ps7hHO
「消えろ。跡形もなく、消えてしまえ」
それでも稲妻は止まない。
怒りに震え涙を流す彼女の手が元素供給陣から離れる気配はない。
死して尚も昇る稲妻は、歪な骨格すらも粉々に分解したところで、ようやく止んだ。
「ッ、あぐっ…」
だが、彼女も無事ではなかった。
許容量を越えた元素は、オークだけでなく彼女自身をも傷付けていた。
肘から先の肉が縦に裂け、手の平の肉は殆ど残っておらず失血も酷い。
剥き出しになった骨の隙間には、残留した紫の稲妻が奔っていた。
まるで蛇か何かのように生き生きとしており、指先に絡み付いて離れない。
指先から手の平へ、手の平から肘先へ、主の傷を舐めるように凄まじい速度で移動を繰り返している。
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