13: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/06/19(日) 23:16:02.09 ID:qA82S3wZo
●けつらく
俺「……物理的な干渉じゃ無いのか?まさか、ディメンジョンスレイヤーと同じ直接介入か!?」
その言葉を口にした後…何故か、まず最初に思い出したのは……根幹を食らう竜の力。
失った物の記憶その物は消えていない事や、そこに至るまでのプロセス等…相違点は幾つもあるにも関わらず、俺は何故か奇妙な既視感を覚えた。
攻撃を受けて、その部位が消失した…
一体どんな原理で、どんな作用を起こしてこんな結果になったのは判らない。だが……この攻撃が俺にとって致命的な物だと言う事だけは判る。
失ったのが、末端…腕だったから良かった物の、もしこれを頭に受けて居たら………
俺と言う存在…俺と言う人格を司る頭脳を失ってしまったら………
その仮定の末にある物に、思考が辿り着いた瞬間。久しく忘れてしまっていた……死…と言う物の恐怖が俺に襲い掛かって来た。
そして………
俺「――――!?」
そこに生まれてしまった恐怖が、俺を判断を遅らせる枷となり…
足元から現れた刃に気付く事が出来ず、そのままその刃に両足を貫かれてしまった。
二の腕を斬られた時のように、殆ど痛みは無し。
だが、その痛みが薄れ行くと共に…貫かれた両足に向ける意識や、両足の感覚や存在その物が薄れ………
俺「……………」
再び気が付いた時には…俺は、片腕に続き両足を失い……虚獣の背中の上で、うつぶせに倒れて居た。
俺「…ヤバい。今度こそ本気でヤバいだろこれ………!!」
文字通り、手も足も出せない絶体絶命の状態の中……残った全身から嫌な汗が噴き出すのを感じながら、俺は声を絞り出した。
何か手がある筈…そう信じてやまない自分が居るにも関わらず、手も足も出す事が出来ない。
どこからとも無く溢れ出す違和感…そして、その奥底から溢れ出す恐怖。
脚をもがれたバッタの如く、抵抗すら出来ない俺に…次なる魔の手が迫っている事くらい、深く考えなくても判る。
目視する事は適わないが…頭上では、人型の虚獣が刃を構えて……俺に止めを刺すべく、狙いを定めている筈。
―――やられる
そう確信した瞬間………
ハル「大丈夫、させません。貴方は…私が絶対に守ります」
ハルの声が響くと共に…周囲を光の柱が包み込んだ。
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