246:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 01:51:40.22 ID:znhwGlXXo
構えは取らない。カウンターは無理だ。あの攻撃速度では対応できない。ならばぼくに
できることはといえば、ドラマツルギーの攻撃を全力でかわすことだけだった。
「そうか」とつぶやき、ドラマツルギーはまた右の拳でぼくをぶち抜きにかかる。
よけるよけるよけるよけるよけるよけるよけるよけるよけるよける――――!
全神経を集中させて、ぼくはドラマツルギーの右の拳を、左に避けることに成功した。
その拳はあまりの速さに風すら発生させ軽くよろけそうになったが、なんとか持ちこたえる。
左に避けたことで、ドラマツルギーの脇ががら空き。この体勢では、ぼくへの攻撃は右腕に
よるひじ打ちしかない。ならば、ぼくが狙うは脇腹だ。
「はっ!」
ひじが当たらないよう、ぼくは右の拳を突くようにドラマツルギーの脇腹に入れる。避けながら
なので姿勢は悪いし、元の利き手の左手でもない、そのうえまるで腰の入ってない反撃であったが、
今はぼくも吸血鬼だ。これでもある程度のダメージは見込めるだろう。
しかし、そんなぼくの一撃はドラマツルギーに当たることはなかった。
ぼくの脇腹への攻撃を、拳を打った後の無防備な状態で振るわれる反撃を、ドラマツルギーは
無理やりにかわした。
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