キスショット「これも、また、戯言か」
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247:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 01:53:03.09 ID:znhwGlXXo

「ふっ!」

 今度ははっきりと「ゴキコキゴキガキッ」と音がした。無理な体勢でぼくの拳を避けるために、

ドラマツルギーは筋肉を無理やりに伸ばし、腹を無理やりに変形させ、ぼくの拳を避けた。

「んなっ!?」

 瞬間あっけにとられる。目の前で、人間が軟体動物のように上半身を九十度、いや、

百三十五度は傾けたのだ。しかも、横向きに。完全に予想の範囲外の動きにぼくは戸惑い、

一瞬動けなくなる。そして、ドラマツルギーには、一瞬あればぼくへの反撃には十分であった。

 無理な体勢のまま、ドラマツルギーはぼくの右腕へと、自身の右腕を振るう。

その体勢では先ほどのぼく以上に力が出ないはずなのに、ドラマツルギーは、ぼくの右腕を飛ばした。

今までよりも鋭い痛みが右腕から送られてくる。

「ぐ、あああああああ!!!」

 鮮烈な痛み。今まで生きてきた中で一二を争うほどのその鋭い痛みが、ぼくを一瞬襲い、

そして右腕が回復する。

「っはあ、っはあ」

 そこまでくるとぼくは状況を冷静に判断できるようになっていた。ドラマツルギーが

横に傾けていた身体を起こす。元の構えに戻ったドラマツルギーの身体は、その両腕は、

先ほどまでとは大きく変質していた。

 両腕が、大剣に変化している。

 波打つ大剣、フランベルジュ。

 吸血鬼としての――――変身能力!!

「……そういえば、そんなのもありましたね」



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