キスショット「これも、また、戯言か」
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248:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 01:55:11.01 ID:znhwGlXXo

 ドラマツルギーはまだ全然全力ではなかったらしい。勧誘する都合上、武器を相手に

見せないために腕をそのままにしていただけということか。

「ああ、くそ」

 見たところその大剣は、人間の腕だった状態の時よりも長い……先ほどよりもリーチは

長くなっている。ドラマツルギーは大男だ。通常の腕の時点ですでに不利であったのに、

さらにそれ以上長くなるだなんて……。しかも西洋剣、両刃であるということは単純に

どう振っても切れるということだ。拳は突き出す威力は高くても振った際の威力は落ちる。

まあ、ドラマツルギーほどの怪力であればラリアットでもぼくの首は飛びそうだが。

ともかく、武器が腕から剣に変わったことは、更にぼくの勝ちの目が潰されたということになる。

もう降参して助かるなら降参したい。

「でも、なあ」

 人間に戻れないから、人外として暮らす。

 人間に馴染めないから、人外として暮らす。

 それは、ただの逃げだ。諦めだ。

 もう、逃げたくない。今まで逃げてばかりの人生だけど。それでも、それだからこそ、

逃げられない。

 だって、逃げたところで、結局そこでもぼくの扱いは、生き方は変わらないのだと、もう

知ってしまっているから。

 人外になり果てたところで、ぼくが仲間を作れるはずがないのだから。

ぼくが誰かと、良好な関係を築けるわけがないのだから。

 どこに行っても、どこまでも孤独。

 そんなものを味わいながら、生き長らえたくはない。



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