モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 20:15:54.60 ID:glNSs2qCo
「あとは……任せた」
「大丈夫、です。
だってこれは……私の、闘いですから」
アーニャの視線は、力なく四肢を投げ出す男から静かに様子を見ていた少女の方へと移る。
互いに違うことのない姿は、鏡写しの様で、互いが互いの瞳の中を覗き込む。
「今更……何をしに来たの?『私(アナタ)』」
その心は、慮外と疑念に満ちている。
『アナスタシア』にとって、アーニャがここに来ることは完全に予想していなかったことであり、表情こそ平静を装っているがその内情はそれなりに混乱していた。
なぜなら彼女は『アナスタシア』である。
アーニャと同じ存在であり、数年に渡り心の中で観察し続けた人格だ。
故に、アーニャがどういう者であるかも知りつくしており、その上で絶対に立ち直ることはないと確信していたからだ。
彼女が空っぽであることをだれよりも知っていたから。
彼女が人にすらなりきれない憐れな存在だと認識していたから。
「本当に……今更、何者でもないアナタがなぜここに立っているの?
これ以上……私から何を奪おうって、いうの?」
だから彼女は、ここに現れた簒奪者に理由を問う。
もはや自身の絶望は見せたはずだ。
もはや彼女の愚かさは突きつけたはずだ。
それでもなお、この場に立ちふさがる『自身』の写し身に、問わねばならなかった。
このただ一つの願いもかなえられなかった少女の、たった一つの願いを踏みにじってまで叶えようとする彼女の願いを。
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