モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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80: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 20:14:49.74 ID:glNSs2qCo

 決して、これまで隊長は目の前の『アナスタシア』のことを名前で呼んだことはなかった。
 確かに、隊長にとっての『あの人』に頼まれたのは目の前の少女だったが、そんな事とは関係ない。

 隊長にとっての『アナスタシア』は今この場に現れた、白銀の少女の方だ。

「あなたは、いつも勝手です。隊長……。

好き勝手に、周りを巻き込む。

許せないことも、たくさんありましたし……私の中のしがらみも、なくなったわけじゃないです」

 交錯する視線は、互いに決して穏やかなものではない。
 到底親愛とは呼べないような遠い感情が二人の間には存在している。

 だが、この瞬間において二人の歪なしがらみは、二人だけの繋がりであった。

「それでも……あなたは私のためにここで、戦ってくれた。

たとえあなたが、私のためだとは言わなくても……それのおかげで、私は今ここに居る。

だから……私のために、ここに居てくれてありがとう。

そして私は……私だけの『願い』を、貫きます」

 その宣誓は、自らが見つけた回答を隊長に示していた。
 決して船頭としてはあまりに無様な男ではあったが、それでも子供は目的地へと辿りついたのだ。

「ハッ……合格点だ」

 隊長は、すべてを理解し静かに笑う。
 役目は終えた。ならばあとはそのなりゆきを、静かに見守ろう。



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