モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 20:06:11.04 ID:glNSs2qCo
「私には……あの子以上の願いなんて持ってない。
あの子の願いを踏み越えてまで、叶えたい願いなんて……見つかりません。
……ニェート、それどころか……私が、願いを持つ資格なんて……」
彼女自身を裏切り続けたアーニャにとって、『アナスタシア』の苦しみは理解できた。
そう、誰よりも、自分自身であるがゆえに、裏切り続けたアーニャに自身が『アナスタシア』の一番の理解者であったのだ。
だからこそ、彼女のとった選択を、アーニャは否定できない。
だからこそ、アーニャは彼女を差し置いて願いを持つことなど許されないと思っているのだ。
そして今アーニャを形作っているのは、封印に残った天聖気とアーニャの人格。
それと彼女が置いていった『彼女の苦痛の記憶』と忌まわしき部隊の技術である。
ほぼ空っぽで、人としての意志を押し通す力すら枯渇している今のアーニャには、意思を生み出すことすら困難であった。
「やっぱり隊長……私には、願いなんて、ありません。
私は……ここで、静かに終わりを待ちます」
いくら期待をされても、存在しないものは見つかりはしない。
そう思い、アーニャは再びベンチで静かにうつむこうとする。
「……アー?」
だが、アーニャの意志を無視して、その頭は垂れることを拒むように真っすぐを見据えたまま動かない。
周囲には、隊長もいない。『アナスタシア』もいない。知り合いのだれもいないはず。
誰からの干渉も超能力も魔法もないはずなのに、その顔は前を見据えたまま動かなかった。
そして頬を伝う様に、一筋の線が流れる。
「シトー?……どうして、涙が?」
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