モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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62: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:56:48.43 ID:glNSs2qCo

 収束した結晶は、その姿を完成させる。
 氷山は逆さにそびえ立ち、空を台座にして鎮座する。

 アナスタシアがこの場において目についた、最も巨大で、最も破壊力を出すことのできる物体。

 地上から標高3776メートル。
 少女の視界に映るのはこの国において最も美しい独立峰である富士山。
 そしてそれを鏡写しされるかのように、形成された結晶の逆富士。

 質量と体積を寸分違わず再現したその結晶山は、落下するだけで日本全体にさえ影響を与えるだろう。
 その威力は、かつて隊長が大気圏外からビルを落とした威力など、もはや比ではない。

「日本人を……冒涜するようなもんだな」

「地形がどうなろうと、もはや知らない。

どうせ全部やり直すのだから……力を抑える必要なんて、ないんですから!!!」

 結晶山を見上げながら、アナスタシアは手を掲げる。
 それは落下の合図を示すものであり、その腕が降り下ろされた瞬間結晶山は重力に引かれ落下するであろう。

 仮にこれが地面に衝突すれば、その真下にいる隊長など、原形を保てないほどに圧殺されるのは確実である。

「考え方は豪胆で悪くない。

『あっち』の方にはできればこれぐらいの発想が出来るようになってくれればよかったんだがな……。

まぁ……とにかく、たかが山ひとつで俺を殺そうとは、舐められたものだな!!!」

 発想としては悪くはない。
 だが、質量の桁がこの程度では足りないのだ。

 かつて隊長を殺すために、とある敵はまるごと惑星ひとつぶつけてきたことがあるのだから。

「この程度、握りつぶせる!」



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