モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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61: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:55:52.77 ID:glNSs2qCo

 世界のあらゆる循環には素霊が関わっている。
 風はさることながら、気温、天候、果てには世界に満ちる魔力の流れにまで素霊の動きは影響する。

 今、この周囲数キロにわたる素霊がこの場に集約され、結晶として蘇生されようとしている。
 それはつまり、あらゆる流体の流れが阻害されることと同じであり、今の状況では魔術の発動はおろか呼吸さえも満足にはいかないだろう。

 超能力にしても自然界に存在する力を行使しているわけではないが、自然界に影響を及ぼす力だ。
 当然、力の行使に影響が出ており、ただでさえ『外法者』のペナルティの上で脳が回らない上に超能力がうまくコントロールできなくなっている。

「チッ……状況は逼迫する一方ってか?

俺は腹に大穴、全身に多量の裂傷、加えて力も全力の4分の1ってところ……。

一方、あのガキは無量大数の素霊の軍勢と、尽きぬ力と、無限再生。

客観的に見れば、勝ち目なんてない」

 明らかに絶望的な状況でさえも、男は嗤いながら上を見上げる。
 隊長にとって目の前の苦難など、さして問題ではない。

 血反吐なんて何度も吐いた。ままならないことばかりで、報われたことなど一切ない。
 それでも、誓ったがゆえに歩いてきたこの道を、貫けぬ道理はない。

「だから、いかに戦力差があろうと、状況がお前に味方したとしても、俺は……絶対に倒せない。

次は何の芸を見せるつもりだ?

俺はその尽くを打倒して、幾度となく稚拙な願いを撃ち落としてやる」

「アナタを……超えなくちゃ。

アナタという天井がある限り、ワタシは飛べないのなら、排除するしかない。

そして……アナタにとっての天井は、ここですよ」



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