モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 19:54:09.53 ID:glNSs2qCo
「アー……あり、ました。
あった。ある……あれなら、やれる」
そもそも外界と触れる機会のなかった彼女にとって、そもそもの知恵や経験が圧倒的に足りていなかった。
相手を打倒するには、本来ならば兵器や武器と言ったものを連想するが彼女にはそもそも連想するための発想が存在しない。
故に初めは杭、結晶の一番自然な形。自然の氷柱を模したような殺傷力をもった結晶を形作った。
次に極大の槍、しかしこれも結局のところ杭から発展したものであり、その形を武器としての『槍』と形容するにはあまりに無骨すぎる物であった。
そして樹木、はじめに隊長がそれらを飛ばすことによって杭を相殺していたこともある。その質量と暴力的な威圧感も相まって彼女がこの場で自然に連想できたものであった。
そして今、彼女にはこれ以上作り出すものが存在しなかった。
いや、作り出せるものはあるものの、生半可なものを作り出したところで隊長を殺すに至らしめられないことがわかっていたのだ。
だが彼女は、上空から景色を俯瞰し、観察することであるものの存在に気づいたのだ。
巨大にして、偉大。絶対的な存在感を放ち、隊長という規格外の存在を滅ぼしうる規格外の物体を。
「фиксация(固定)……фиксация(固定)……созыв(招集)。
формирование(形成)……фиксация(固定)……」
明らかに結晶化していく素霊はこれまでの量とは比ではない。
空を覆い尽くすほどの素霊が結晶化していくたびに、星空のように光が明滅する。
その景色は幻想的であったが、同時に憎悪と狂気によって凝り固まった結晶体だ。
明確に、アナスタシアは今できる最大限の力を使いこの場に素霊を招集している。
「また……面倒な力押しを……っ」
その様子を見上げていた隊長に突如と走る激痛。
先ほどまでわき腹に突き刺さっていた結晶杭が素霊に帰り、止血も兼ねていた血止めの栓が消失したのだ。
体から血液が抜けていくとともに、慣れ始めていた脇腹の痛みも復活する。
「まさに、全部を集約するってわけ……か。
ハッ、光栄だな」
隊長は軽口を叩きつつ、超能力で傷口を押さえつけ出血を止める。
この程度に意識を割くのは造作もないが、あくまで応急処置にすぎず、致命傷が塞がるわけではない。
「この樹海の素霊を枯渇させる気か……」
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