モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 19:52:39.45 ID:glNSs2qCo
しかし、見下ろす隊長にとって予想外の方向から声が聞こえる。
それと同時に足場にしていた結晶が消失し、今度は隊長が自由落下を始める。
「チッ……どういう、ことだ?」
突如として落下し始めたとしても隊長は慌てずに、地面に両足を付け着地する。
おおよそ人が落下したとは思えないほどの轟音が響くが、衝撃を超能力によって相殺した結果だ。
隊長は、着地し片膝ついた状態からゆっくりと立ち上がりながら、上空を見上げる。
先ほどよりもさらに上空、より巨大な結晶の翼を生やしたアナスタシアは浮遊していた。
「テレポートか?
…………いや、限りなく肉体を素霊と同一化させたのか?」
肉体が完全に消滅した際に、アナスタシアの能力では復活する座標をある程度任意で選ぶことができる。
復活する肉体の起点がない故に、魂から肉体を再構成するので短距離間においてならば場所に囚われる必要がないからである。
故に、すでに肉体そのものを素霊に限りなく近づけておけば、復活する肉体の起点という縛りはほぼ解除される。
結果肉体が完全に滅ぼされずとも、疑似的な短距離テレポートが可能を可能としたのだ。
「また……面倒な知恵つけやがって」
よく見れば、上空のアナスタシアの輪郭は周囲に漂う素霊の粒子によってよりいっそう曖昧になっており、それが素霊との同一化の証拠であった。
そもそもつい先ほど下半身が素霊となって散っていた時点で、この復活による短距離移動のコツは掴んでいたのだろう。
もはや地に足を着けるなどということを意地でも拒むかのように、土壇場に執念で身に着けた未熟な少女の新たな技術。
だが、そんな新たな技にも、見上げる隊長にも目をくれずにアナスタシアは虚空を見つめている。
「足りない……足りない。
あの男を、隊長を、殺すには、まだ足りない。
重さ、大きさ、太さ、数、速さ……素霊を総動員すれば何でも作れる……。
でも、そのどれでも……殺しきれない」
その感情はもはや妄執であった。
乗り越えなければならないと判断してしまった以上、彼女に迂回するなどという知恵は働かない。
眼下の強大なこの男を殺し、自らの唯一の殺人として刻み込むことでしかもはや彼女の進む道はなかった。
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