モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
1- 20
58: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:51:32.63 ID:glNSs2qCo

「繰り返す時間なんて、与えん」

 空中に固定されているアナスタシアにかかる一つの影。
 空気はまだ固定されているため、視線だけを上向ける。

「それより上には、行かせるかよ」

 アナスタシアの頭上に振り下ろされるは、神速の一撃。
 ただの踵落としではあるものの、その強靭な脚力と超能力の加速が合わさってミサイルの爆発にも匹敵する。
 幾度となく地表を割ってきたその脚はアナスタシアに突き刺さり、飛翔していた少女は地面に向かって急速に落下する。

(嫌だ……もう二度と沈みたくない。

ワタシは、もっと、もっと……上に。願いを叶えるために)

 アナスタシアが地面に落下するとともに衝撃によって土煙と轟音が上がる。
 奇しくもこの状況は先ほどとは逆転しており、今は隊長が地面のアナスタシアを見下ろしていた。

「これで、振り出しだ。

まだ、飛ぼうとするか?ならば俺も何度でも、だ」

 高く飛翔しようとする少女の姿は眩しくさえ思える。
 だが、それでも隊長はその翼を削いで、地に堕とす。

 憎まれようとも、彼は何度でも立ちふさがらなければならない。
 彼女の飛翔の先には、閉塞しか待っていないがゆえに。
 そのためならば、隊長は何度でも地表へと少女を撃ち落とすだろう。

「……ワタシは、飛ぶ。

誰よりも、高く、アナタも、私も置き去りにして」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
558Res/632.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice