モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 19:58:13.63 ID:glNSs2qCo
隊長は右手を伸ばし、視界の内で手のひらと結晶山を同期させる。
彼が、最も得意とする技でもあり、希望ごと万物を握りつぶしてきた非情の掌。
それを握りしめるだけで、規格外の超能力は山脈一つであろうと握りつぶして見せる。
軋み上げる結晶山。力のすべてを集約した巨大な暴力であっても、隊長の拳ひとつで砕かれようとしていた。
「……なんて、無意味なこと」
だが噴き出すは赤色。
すべてを握りつぶしてきた隊長の右腕は、関節が大量に増やされたかのごとくねじ曲がり、砕けた。
そして、肩の力が抜けたように使い物にならなくなった右腕はだらりと下がる。
「……ぐ、があああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
隊長はその衝撃から絶叫し、その場にうずくまった。
いくら隊長が、あらゆる因果や運命を無視してここに居るとしてもそれに払っている代償は先に述べている。
今の現状は負荷の上に負荷を付加するようなものであり、負債に負債を重ねる多重債務の形だ。
そんなことが続けば、いくら精神の方が強靭であろうと、破産し肉体が引き裂かれるのは目に見えていたことだったのだ。
「……先に尽きたのは、アナタの方でしたね。隊長さん。
これは、ワタシの願いの結晶。アナタを貫くためにあつらえた一石よ。
これまでにいろんな人を、物を、思いを冒涜してきたアナタには、決して打ち破れない」
もはや勝負は決した。
かつて憤怒の街でアーニャが、隊長の放つ一撃を相殺してみせたときのような奇跡は存在しない。
奇しくも、その時とは立ち位置が真逆であったが、孤立無援の隊長にこれを打開する術などありはしなかった。
「この山は、アナタへの餞別。
この土地に墓標として刻み付けて、ワタシは全てを取り戻す」
そうして降り下ろされたアナスタシアの右手を合図に、結晶山はゆっくりと降下する。
幕切れは、あっけなく。
その逆富士は、重力に引かれながら隊長を落下点の中心にして加速していく。
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