モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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64: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:59:19.94 ID:glNSs2qCo



 はずだった。

「あまり……適当な、こと……ぬかすなよ」

 微かに聞こえる声。
 落下を始めた結晶山は、地表の衝突直前に静かに停止する。
 騒がしかったこの樹海から、一斉に音を奪ったかのように沈黙が支配した。
 ただ一人の声を除いて。

「……俺の底が尽きただと?……これが俺の墓標だと?」

 底冷えるかのような低い声。
 深淵から響くような言葉は、俯瞰し、勝利を確信していたアナスタシアからも言葉を奪う。

「だから……浅いんだよ。人生が、思いが、絶望が、まだまだだ。まだまだ、浅すぎる。

腕が折れた?腹が割けた?内臓が吹き飛んだ?

ならば両足で立てばいい。腹ばいで進めばいい。視線で貫けばいい」

 紡がれる言葉と共に、カーン、カーンというような釘を打ち込むような音が鳴り響く。

「その程度では……俺は折れない。

この俺の執念は、意地は、お前ごときが測れるものじゃない。

……忠告だ。

俺を止めるために、殺すことはは不可能だ。

俺を殺すために、止めることは不可能だ。

俺が終わりだ。故に……俺に、『黄昏(おわり)』など存在しない」



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