モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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56: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:50:08.97 ID:glNSs2qCo

 すでにこの空間の空気は隊長の支配下にある。
 空気の分子さえ超能力で固定してしまえば動けるはずはない。

 隊長は制止した結晶槍に足をかける。
 制止した物体は、空中にいる隊長にとって足場にさえなる。

「アナタの教えなんて……捨ててきました。

ワタシにとっては、要らないものよ」

 たとえ動けなくても、そんなことに意味はない。
 アナスタシアにはそう言わんばかりの表情をしており、打開策は握っているようである。

 だが隊長にとってはそんなことよりも、アナスタシアの発言の方が気になっていた。

「ハッ……それは、失敗だったな」

「それが、なんの……」

「いずれ、わかる。

お前の俺への意地の悪い排斥行為は、お前にとっての致命になる。

いや、ある意味救いかもな」

 アナスタシアには隊長の言葉を理解はできなかった。
 隊長の教えや技術などは、彼女にとって唾棄すべきものである。
 たとえ役に立とうと、その『争いの火種』をこの体に残しておくはずがなく、切り捨てるべきものだ。

 たとえ仮に、それを拾い上げる者がいようとこの場に脅威として現れることはあり得ない。
 それは彼女自身だからこそ一番理解していることであり、残してきたものに何かできる力などありはしない。

 故に、そんな無意味な可能性は掃き捨てる。
 隊長のありもしない妄言に、アナスタシアは耳を貸さない。

「アナタの物なんて必要ない。

ワタシは、ワタシだけの力で、アナタという巨悪を打倒する!!!」

 空気固定の範囲外から、目の前の隊長とアナスタシアを取り囲むように結晶杭は出現する。
 それらは射出されることなく太さを増していき、その形を変えていく。



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