モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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431: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:17:58.65 ID:L6tcVsPXO

(洋子がいたら、すぐ隣で、40度近い体温を分けてくれるだろうに)
(イツキがいたら、あの自販機まで走って熱いアマザケを買うだけの気力を分けてくれるだろうに)

 黒衣Pはスチームパンク戦士めいて黒子ヒーローマスクの隙間から白い空気を吐き出しながら、無意味な“もしも”の世界をニューロン内で描いては消す。
以下略 AAS



432: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:20:53.31 ID:L6tcVsPXO
 ◇◇◇

 ネオトーキョーの冬は寒い。
 斉藤洋子の体温は氷点下にも負けず40度近くを保っているが、だからこそ彼女の顔は、手は、外気に触れる露出部分の全ては、温度差によってヒリヒリと痛痒いのだ。
 洋子は灼熱めいた白い吐息で両手を暖め、カサつく?をさすった。冬の乾燥空気は肌の大敵だ。夏の湿度が今だけは恋しい。
以下略 AAS



433: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:23:10.27 ID:L6tcVsPXO
 里帰りできずとも、不満があったわけではない。アイドルヒーローの仲間が誕生日を祝ってくれもしたし、二人きりのパーティーも……

「……こっ! 今年は! 帰ろっかな!」

 誰に言ったわけでもなく、何らかの能力者に心の中を覗かれる感覚もなかったが、洋子の顔は赤い。黒衣Pの姿が見えないことは幸運であったろう。
以下略 AAS



434: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:26:09.08 ID:L6tcVsPXO
 ◇◇◇

 ネオトーキョーの冬は寒い。
 イツキの生まれ育った獣人界は夏暑く冬寒い、全ての生命に死力を尽くさせる強き大地だったが、ここネオトーキョーも負けず劣らずだ。
 黒衣Pの言うには、特に今年は四年ぶりのデミ氷河期らしい。だからだろうか。彼女の前方5メートルを疾駆するシベリアンハスキー種イヌ獣人は、いやに楽しそうだった。
以下略 AAS



435: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:29:17.40 ID:L6tcVsPXO
 今や追う者と追われる者は逆転していた。いくつものビルを跳び渡り、獣人界の匂いはますます強く濃くなっていく。
 やがて視界が開け、眼下には公園。その片隅で「お」「そ」「ば」のノレンを掲げ、ひっそりと佇む屋台こそ、匂いの最も強まる地点であった。

「えっ……? 屋台……?」

以下略 AAS



436: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:32:06.40 ID:L6tcVsPXO
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437: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:33:41.54 ID:L6tcVsPXO

 絶叫したのはエージェントの方だった。洋子の瞳の光が消えると、恐るべきニューロン破壊能力者マインドトレーサーは仰向けに倒れ、口から白い煙を吐いた。

「プロデューサー、頭大丈夫?」

以下略 AAS



438: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:36:34.66 ID:L6tcVsPXO
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439: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:38:37.03 ID:L6tcVsPXO
 ◇◇◇

「プロデューサー、頭大丈夫?」

「……言葉足りてねぇぞ。大丈夫だ、おかげさまでな」
以下略 AAS



440: ◆GPqSPFyVMNeP[sage saga]
2017/12/31(日) 10:40:09.10 ID:L6tcVsPXO
 彼はエージェント達の目的を分かってはいない。だが、身を以て味わった何らかの薬物ヌードルこそ眼前敵と深く関わる物と推測できれば、協力する選択肢などあり得ぬ。

「ファイブセンシズ、交渉は無意味だ。排除する方が早い……イヤーッ!」

 ファイブセンシズを押しのけて進み出た小柄な男が、双眸を紫色に光らせた。エボニーコロモの鼻と目から血が流れ、黒子ヒーローマスクから溢れてポタポタと落ちた。
以下略 AAS



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