モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆GPqSPFyVMNeP
[sage saga]
2017/12/31(日) 10:17:58.65 ID:L6tcVsPXO
(洋子がいたら、すぐ隣で、40度近い体温を分けてくれるだろうに)
(イツキがいたら、あの自販機まで走って熱いアマザケを買うだけの気力を分けてくれるだろうに)
黒衣Pはスチームパンク戦士めいて黒子ヒーローマスクの隙間から白い空気を吐き出しながら、無意味な“もしも”の世界をニューロン内で描いては消す。
アイドルヒーローを引退し、プロデューサーヒーローになり、はや二年目の冬。己がどれほど脆弱な存在となったか、彼は否応なく思い知らされていた。
「別に、あの頃は良かった……なんて話じゃねぇけどさ」
誰に言うでもなく呟いた。この時期のエボニーレオは、借金苦から悪に堕ちるほか無かった哀れな貧困犯罪者達にとって、獅子ではなく鬼であったろう。
強大な能力で追いかけ、決して逃がさず、鉄拳と共に年明けまでの留置場生活(つまりは必要最小限の衣食住)をプレゼントするのは、しかし彼なりの慈悲だった。
男性アイドルヒーローそのものが落ち目だった時期、彼自身も楽な生活ではなかった。ひと仕事終えた後には、馴染みの屋台で安いソバを……
(ソバ……か)
その記憶が甦ったのは何らかの啓示であったか。黒子ヒーローマスクがBEEP音を鳴らし、サブモニタウインドウに解析映像を映し出した。
思い返せば、今日は昼飯を食べていない。事件解決のため戦い、その結果が……。プランBを早急に準備せねば。まずニューロンに栄養補給を。黒衣Pは足早に屋台へ向かう。
軽トラック改造屋台は、ネオミドリ自然公園の片隅で「お」「そ」「ば」のノレンを掲げ、ひっそりと佇んでいた。
◇◇◇
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