モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆GPqSPFyVMNeP
[sage saga]
2017/12/31(日) 10:23:10.27 ID:L6tcVsPXO
里帰りできずとも、不満があったわけではない。アイドルヒーローの仲間が誕生日を祝ってくれもしたし、二人きりのパーティーも……
「……こっ! 今年は! 帰ろっかな!」
誰に言ったわけでもなく、何らかの能力者に心の中を覗かれる感覚もなかったが、洋子の顔は赤い。黒衣Pの姿が見えないことは幸運であったろう。
(そういえばプロデューサーの方は、もう片付いたかな……イツキちゃんは……)
黒衣Pの言うには、今夜はホテル・グランド・ゴウカでディナーらしい。三人でささやかなバースデーパーティー。主役は洋子と、偶然にも誕生日の同じイツキ。
(ドレスコードとかあるのかなぁ……なんかグレード高い? みたいな感じっぽいし、あんまりいっぱい食べる雰囲気でもなかったり……?)
考え出せば落ち着かず、心配にもなってくる。がっついて恥をさらさぬよう、何か軽く腹に入れておくべきか? ……まさにその時、視界の端に屋台。
腹おさえには重いか。否、相応に働きカロリー消費したのでプラスマイナスゼロだ。そういうことにした。
(ソバ……かぁ)
軽トラック改造屋台は、ネオミドリ自然公園の片隅で「お」「そ」「ば」のノレンを掲げ、ひっそりと佇んでいた。
簡易ベンチには客らしき姿がひとつ。おそらくハズレ屋台ではない。ほう、と息を吐くと、洋子は二車線の車道を跳び越え、屋台へと向かった。
◇◇◇
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